Chapter-3 観察のポイントと異常像
内中膜複合体の加齢性の変化  

内中膜複合体の加齢性の変化


健常高齢者における総頸動脈のIMCである。IMTは1mm程度である。層構造は不明瞭で、その壁面のエコー輝度が上昇している。

  • IMC
 
内中膜複合体の動脈硬化性変化  

内中膜複合体の動脈硬化性変化


動脈硬化の進行によりIMTは1.4mmと肥厚を呈している。IMCは不均一で、限局性にエコー輝度の増強部分がみられる。

  • 輝度が上昇したIMC
 
プラークの観察(低輝度型)  

プラークの観察(低輝度型)


全体的に淡いエコー像を呈するプラークが描出されている。内部に無エコー域も含んでおり、プラークの崩壊や血栓ができる可能性にも注意を要する所見である。

  • 低輝度型プラーク
 
頸動脈の動脈解離  

プラークの観察(等輝度型)


エコー輝度は周囲の正常IMCと同等レベルで、内部は繊維状のプラークが描出されている。プラークの線維化と考えられ、比較的多くみられるエコー所見である。

  • 等輝度型プラーク
 
プラークの観察(高輝度型)  

プラークの観察(高輝度型)


音響陰影を伴う高エコー型プラークが描出されている。音響陰影でプラーク全体像の評価ができないことも多いため、多方向からの観察が必要となる。

  • 高輝度型プラーク
 
プラークの観察(連続性のあるプラーク)  

プラークの観察(連続性のあるプラーク)


探触子に近い側の血管壁に連続性あるプラークが描出されている。表面のエコー輝度は高いが、内部は繊維状で輝度は等〜低と不均一である。

  • 連続性のあるプラーク
 
狭窄を伴うプラークの観察(Bモード)  

狭窄を伴うプラークの観察(Bモード)


内頸動脈起始部の血管内腔は低エコー型、等輝度型、高輝度型など、いわゆる混合型プラークにより狭小化して観察されている。

  • 混合型プラーク
  • 狭窄部
 
狭窄を伴うプラークの観察(カラードプラ法)  

狭窄を伴うプラークの観察(カラードプラ法)


速度分散表示で狭小化した血管内腔を描出したエコー像である。狭窄部とその末梢側の血流信号がモザイク様に観察されている。

  • 狭窄部
  • モザイク血流
 
パワードプラ法の利用(アーチファクトの鑑別)  

パワードプラ法の利用(アーチファクトの鑑別)


探触子に近い側の血管内に線状エコーを認める。パワー表示で観察すると、血管内が埋め尽くされることから、線状エコーはアーチファクトであることが判断できる。

  • アーチファクト
  • パワードプラ
 
面積法による狭窄率の求め方
狭窄率(%)=(血管本来の断面積−狭窄部の断面積)/血管本来の断面積×100
     
パワードプラ法の利用(狭窄率の評価)  

パワードプラ法の利用(狭窄率の評価)


狭窄部の短軸像である。狭小化した内腔は血流信号で明瞭となる。

  • 血管本来の断面積
  • 狭窄部の断面積
 
潰瘍型プラークとは  

潰瘍型プラークとは


潰瘍型プラークとは、本来あったであろうプラーク頂付近から約2mm程度陥凹したものと判断するのが良い。ごく小さく陥凹して見えるものは、隣りあったプラークの谷の部分との判断が困難であるので、通常は潰瘍型プラークとは判断しない。

  • 陥凹部の深さ
 
潰瘍型プラーク(Bモード法)  

潰瘍型プラーク(Bモード法)


プラークは凹状、不整な形状で描出されている。このような形状のプラークは、すでに破綻していたり、新たな血栓を作ったりするリスクがある。

  • 潰瘍部
 
潰瘍型プラーク(カラードプラ法)  

潰瘍型プラーク(カラードプラ法)


速度表示で血管内腔を描出したエコー像である。凹状の部分で血流方向(青色)とは逆の血流信号(赤色)が観察されることから、潰瘍を有するプラークと判断することができる。

  • 凹状部での逆流
 
頸動脈の動脈解離  

頸動脈の動脈解離


解離した内膜片が描出されると、動脈解離を疑う。
内膜片は動きがあることもあるので良く観察して参考にすると良い。ミラーイメージなどのアーチファクトとわかりにくい場合があるので、カラードプラなどを併用して見誤らないように注意が必要である。

  • 剥離した内膜面
 
動脈解離(Bモード法)  

動脈解離(Bモード法)


総頸動脈内腔に線状高エコーの膜様構造物が描出されている。動きなども参考になるが、Bモードだけでは解離だと判断しかねる場合もある。

  • 剥離した血管内膜
 
動脈解離(カラードプラ法)  

動脈解離(カラードプラ法)


速度表示で血管内腔を描出したエコー像である。頸動脈の動脈解離では、膜様構造物を境に、逆の血流信号が観察されることから、内膜解離と判断できる。

  • 血流方向

企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:株式会社日立製作所