肝臓の腫瘤性病変の発見のためには、肝臓全体をすみからすみまで見落としなく観察することが大切である。肝左葉の外側区域の最外側、右葉の横隔膜ドーム下、外側端、肝縁にある病変は特に見落としやすいので、これらの部位に十分気をつける必要がある。
肝臓の腫瘤性病変の鑑別にあたっては、基礎疾患の有無を考慮することが重要である。肝硬変や慢性肝炎のある症例では、どのような腫瘤像が描出されてもまず肝細胞癌を疑う。逆に慢性肝障害のない症例であれば、肝細胞癌の可能性はほとんどない。転移をおこしうる悪性腫瘍の合併・既往がある症例では、転移を念頭において検査・診断する。
企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムヘルスケア株式会社