Chapter-5 胆嚢腺筋腫症
胆嚢腺筋腫症
胆嚢腺筋腫症adenomyomatosisは胆嚢壁に存在するRokitanskyAschoff Sinus ;RASが増殖・拡張し胆嚢壁が部分的あるいは全体的に肥厚する良性疾患である。肥厚により胆嚢の変形をきたし、肥厚部が隆起状になることから、胆嚢癌などの肥厚性病変や隆起性病変との鑑別が問題となる場合は多い。胆嚢癌との鑑別は常に念頭に置くべきである。基本的には肥厚部に点在する拡張したRASや壁内結石によるコメット様エコー(comet-like echo)の所見が得られれば腺筋腫症と診断することができるが、胆嚢癌の併存をも否定できるわけではない。通常でも底部にある肥厚は見落とされることが多く、ましてや胆石を併発し十分な観察ができないケースも少なくない。
企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムヘルスケア株式会社