腎臓

腎臓に石灰化は比較的よく見られる所見である。腎実質に在る石灰沈着もしくは点状の石灰化は過去に受けた感染や損傷の痕跡に見られることが多いといわれている。特殊な例では、髄質に起こる石灰沈着もある。また中心部エコー(以下、CEC)には腎動脈の石灰化が見られることもある。

腎結石はCEC内部(腎盂)か腎実質との境界部(腎杯部)にストロングエコーが見られ、基本的には腎実質内に結石は見られない。このように石灰化と結石は、ストロングエコーの局在からどちらかを推測することはできるが、CEC内にあり水腎がない場合には石灰化、結石、ともに可能性があり判別できないことも多い。ただし通常は、それを判別する意味はあまりない。
尿路系結石が問題となるのは、尿路系の閉塞すなわち腎盂拡張(水腎症)や尿管拡張がみられる場合である。

企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムヘルスケア株式会社