Chapter-4 胆道閉塞
胆道閉塞
胆管に結石や炎症あるいは腫瘍などの病変があると、その部位で胆管の狭窄や閉塞をきたし、その上流側に拡張が見られる。したがって拡張した胆管を見たら、まず拡張している範囲を観察し、次に下流側に追ってゆけば狭窄や閉塞している部位とその原因が描出されるはずである。
狭窄や閉塞の原因は、胆管の内部にある場合と胆管の外部にある場合とがある。胆管内に原因がある閉塞には胆管内の結石、炎症による良性狭窄、胆管癌などがあり、胆管外の原因としては肝臓の腫瘍や腫大した肝門部リンパ節、膵頭部癌などによる圧排や浸潤が挙げられる。
一方で肝外胆管は、十二指腸ガスなどの影響により超音波では必ずしもその全体像が描出できないので、拡張パターンから閉塞位置や原因を推定することも大切である。
先天性総胆管拡張症は、例外的に閉塞や狭窄がなく胆管拡張がみられる疾患である。
企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社