膵臓の悪性腫瘍すなわち膵癌は、その90%以上が組織型では浸潤性膵管癌 (invasive ductal carcinoma)が占めており、通常型膵癌とも呼ばれている。本章では、この浸潤型膵管癌の超音波所見を中心に解説する。 膵癌の直接所見は腫瘤像、もしくは膵腫大である。そして膵管由来の腫瘍であるので、二次所見として腫瘍による膵管閉塞がもたらす膵管拡張が多くの症例で見られ、加えて腫瘍の進展により胆管拡張や周囲への浸潤像を伴う。