●唾液腺は、耳下腺と顎下腺、および顎下腺ワルトン管周囲に存在する舌下腺からなる。表在に位置する耳下腺、顎下腺は高周波探触子を用いて観察することは容易であるが、正常舌下腺はその位置や大きさの関係で描出が難しい。 ●耳下腺は顔面神経によって浅葉と深葉に分けられるがエコーでは顔面神経を判別できないため、腫瘍の位置診断は腫瘍表面の正常耳下腺の有無や、耳下腺周囲の胸鎖乳突筋や下顎骨、下顎後静脈などとの関係を参考にする。 |
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左耳下腺の前寄りの浅い位置にある腫瘍である。腫瘍の表面に正常耳下腺組織が見られないので腫瘍が耳下腺表面に露出している可能性が高い。 |
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左耳下腺深葉の腫瘍である。腫瘍後端と胸鎖乳突筋の間に正常耳下腺組織(➤)を認め、深部では下顎骨(→)と近接している。腫瘍が深葉に及んでいる可能性が読み取れる。 |
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形状やや不整、境界明瞭、やや不均一な内部エコー、腫瘍の深部には下顎後静脈(➤)が描出されている。腫瘍後端は胸鎖乳突筋と近接していた。 |
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形状やや凹凸を認める。腫瘍は耳下腺後下端に位置する。矢印(➤)は下顎後静脈。腫瘍深部の静脈は探触子を圧迫しすぎないように観察する。 |
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形状凹凸、境界明瞭、内部エコーは均一だが一部嚢胞状部分を認める。腫瘍は耳下腺表面に露出していた。 |
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横断像と同様の所見。多形腺腫は形状、内部エコーも多彩であり、境界が明瞭で可動性のよいことが診断上大切な所見である。 |
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20年前に多形腺腫を摘出した患者。今回、同部位に形状凹凸、境界明瞭、やや不均一な内部エコーを呈する腫瘍を認める。 |
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縦断像では分葉状の形態が明らかである。腫瘍の表面には耳下腺正常組織(➤)を認める。再発の場合は悪性変化している可能性もある。 |
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右耳下腺ワルチン腫瘍の横断像。形状は整、境界明瞭、嚢胞形成により輝度の低い不均一な内部エコーを認める。本例は両側の耳下腺に腫瘍を認めた。 |
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同症例の左耳下腺ワルチン腫瘍の横断像。耳下腺後下端の下極に位置し、一部嚢胞状を呈している。ワルチン腫瘍は両側性に認めることもある。 |
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形状は整、境界明瞭、嚢胞形成され嚢胞壁が内空へ増殖しているような内部エコーを認める。 |
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嚢胞形成され嚢胞壁の上方と前方から内腔へ増殖しているような内部エコーを認める。腫瘍は浅い位置に存在する。 |
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右耳下部の急速な腫脹を主訴に来院した症例。右耳下腺の腫脹はやや不明瞭、不均一な内部エコーを呈し、表皮直下(➤)まで浸潤している。 |
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探触子で圧迫して観察すると、腫瘍は硬性で可動性不良であることがわかる。浸潤性に増殖し、リンパ節転移も認められる。 |
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腺癌症例の手術2年後、耳下腺の腺癌再発腫瘍。再発した腫瘍は手術前に比べさらに形状不整、境界不明瞭になっている。可動性も極めて悪い。 |
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耳下腺内に多発性に低エコー腫瘤を認めた。腫瘤の形状は整、境界明瞭。内部エコーは嚢胞様に見える不均一な低エコー像を呈している。 |
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左耳下腺に類円形の境界部明瞭な腫瘍を認める。腫瘍は皮膚直下に達している。内部は混合エコーパターンを呈し、輝度の高い反射も見られる。 |
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悪性腫瘍の診断では、腫瘍ばかりでなく周囲への浸潤や転移の所見も大切である。本例では複数の頸部リンパ節が転移により腫脹していた。 |
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左耳下部の腫脹と左顔面麻痺を主訴に来院。左耳下腺の前上方に境界不明瞭な形状凹凸の目立つ腫瘍を認めた。可動性は不良。 |
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悪性腫瘍では浸潤性に発育するため、しばしば腺組織との境界が不明瞭となる。 | |||
腫大した耳下腺内に多発する斑状低エコーを認める。全体的に内部エコーは不均一で、点状高エコーも目立つ複雑なパターンである。 |
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急性化膿性耳下腺炎は脱水状態に伴って生じることが多く、耳下部全体の腫脹と疼痛を主訴とする。 | |||
右顎下腺外側に位置する円形、形状整、境界明瞭、均一な内部エコーを呈する充実性腫瘤。腫瘤の表面と深部に正常腺組織を認める。 |
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縦断像では、形状整で一部突出しているが腫瘍表面には正常顎下腺組織が認められる。可動性も良好であった。 |
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顎下腺内に径10mmの結石エコーを認める。腺体は炎症により腫大し、内部に低エコーなムラが見られる。内部エコーは正常対側と比べると良い。 |
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唾石は顎下腺の腺体とワルトン管の移行部に位置する。唾石によって唾液の流通が阻害されるため、腺体内の唾管の拡張所見(➤)を認める。 |
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食事中の顎下腺の疝痛を訴え腫脹を認めた。エコー像は顎下腺内に2カ所、結石エコーを認め、結石周囲に内部エコーのムラがある。 |
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縦断像でも顎下腺に炎症所見、および唾石の中枢側の唾管の拡張が見られる。唾石は複数あることを念頭に、唾石の数や位置を把握する。 |
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