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膝蓋骨の長軸方向は上端の大体四頭筋腱と下端の膝蓋腱で安定化している。膝蓋腱は脛骨粗面部に付着している。内側の靭帯は大腿骨と脛骨間、外側の靭帯は大腿骨と腓骨間に張っている。 |
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大腿骨荷重部関節軟骨の観察ポイント ●荷重部軟骨の厚さと軟骨下骨の不整や骨棘の有無
観察部位:荷重部軟骨および軟骨下骨 膝蓋骨と大腿四頭筋腱、膝蓋腱の観察ポイント ●膝蓋骨への付着部の骨の観察:分裂膝蓋骨・ラルセン病
観察部位:膝蓋骨・膝蓋腱・脛骨粗面部・滑液包
観察部位:膝蓋腱・脛骨粗面部の血流シグナル 内側側副靭帯と半月板のポイント ●軽度屈曲位による内側腹側靭帯と内側半月板の観察
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膝観察を最大屈曲位にして大腿骨関節面にプローブを横軸方向に当てる。膝関節症の場合膝の屈曲で痛みを生ずる場合があるため、痛みに応じて屈曲する角度を調整する必要がある。 |
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上記の位置から内側を荷重部方向へ走査し、膝蓋骨内側の観察を行う。軟骨の薄さ、軟骨下骨の骨棘を観察する。長軸走査も行う。 |
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軟骨下骨の高輝度線状エコーとそれを覆う軟骨の均質な無エコー像が描出される。この部分は荷重部ではない。 |
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外側に膝蓋骨の骨表面が高輝度線状エコーに描出されその内側に大腿骨荷重部の軟骨下骨の高輝度線状エコーとそれを覆う均質な無エコーの軟骨が描出される。長軸像でも観察する。
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大腿四頭筋から膝蓋へ張っている腱とその後方の膝蓋骨上脂肪体と大腿骨前脂肪体、その間の膝蓋上嚢を観察する。必ず短軸アプローチも行う。 |
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大腿四頭筋腱は高エコー線状のfibrillar patternを示し、膝蓋骨はその表面が高輝度の線状エコーで、脂肪体は高エコー不均質に描出され、膝蓋上嚢は描出されないか、狭い低エコーラインに見える。 |
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膝蓋遠位端と脛骨粗面部、その間を張っている膝蓋腱とその後方の深膝蓋下滑液包、膝蓋下脂肪体を観察する。必ず短軸アプローチも行う。 |
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膝蓋遠位端と脛骨粗面部は表面が高輝度線状エコーに、その間を張っている膝蓋腱はfibrillar patternに描出される。正常でも深膝蓋下滑液包は周囲壁が高エコーで内部が無エコーの扁平な嚢状に描出される。 |
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大腿骨から脛骨内側に張っている、内側側副靭帯と一塊になっている内側半月板を観察する。半月板は前方から後方へ走査しスクリーニングする。 |
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骨表面は高輝度線状エコーに描出され、靭帯浅層はfibrillar patternを呈し深層は短くやや低エコーで半月板と連続している。半月板は比較的均質な高エコーに描出される。 |
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大腿骨から腓骨頭外側へ張っている外側側副靭帯と外側半月板を観察する。靭帯と半月板の間には結合組織が存在するため、内側と比較して外側の半月板は描出しにくい。 |
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骨表面は高輝度線状エコーに描出され、靭帯はfibrillar patternに描出される。半月板は比較的均質な高エコーに描出されるが、内側よりは描出しにくい。 |
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屈曲し腱が張った状態では炎症によって拡張・新生する腱内の血管が締め付けられて、本来の血流シグナルを描出できな場合があるため、腱炎を疑う場合には、伸展位で血流観察を行う。 |
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腱内の血液は炎症による血管の拡張と新生を示していると考えられるが、小児の場合、健側にも血流が描出される場合があるため、必ず健側と患側を比較する必要がある。(パワードプラ法) |
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企画・制作:超音波検査法フォーラム 協賛:富士フイルムメディカル株式会社 |