|
|||
小型の腎細胞癌は腎臓実質よりエコーレベルの高い円形充実性腫瘤として現れることが多い。辺縁にある偽被膜により側方陰影が見られることもある。大型ほど内部エコーにバリエーションがあり、混合エコーパターン、低エコーパターンあるいは嚢胞変性を伴うエコー像などを示す。また稀ではあるが嚢胞性の腎細胞癌の存在も念頭に置く必要がある。 |
|||
腎辺縁に突出する22mmの腎細胞癌。肝臓の被膜を押している。深呼吸で移動させて観察し、腎臓と共に移動したことより腎臓由来の腫瘍であることを確認した。 |
|||
同症例の短軸方向での観察。腎実質との連続性から腎皮質由来の腫瘍であることが分かる。縦横両方向での観察は欠かせない。 |
|||
充実性腫瘍の一部が嚢胞変性したと思われる症例である。45mmの充実性腫瘤の内部にサイズの不揃いな嚢胞が集簇している。 |
|||
短軸像では側方陰影が見られる。嚢胞成分は厚く不正な隔壁で仕切られているのが分かる。 |
|||
本例は嚢胞成分を主体とする嚢胞性腎細胞癌である。嚢胞壁(隔壁)に不整や肥厚が見られる場合には腎細胞癌の可能性も考える必要がある。 |
|||
全体的に低エコーレベルの腎細胞癌。腎細胞癌のエコーレベルはその組織成分によりバリエーションがあり、低エコーのタイプは見落やすいので注意が必要である。 |
|||
30mm、内部が混合エコーを呈している。腎盂への浸潤は見られない。 |
|||
同症例をカラードプラにて観察すると腎本来の血管が腫瘍を避けるように走行している。通常、腎細胞癌は腎実質に比して血流は少ない。 |
|||
10cmの腎細胞癌である。中心部の不整形低エコー域は壊死巣を示している。大型の腫瘍であったが血尿などの所見はなく、組織上も腎盂浸潤は見られなかった。 |
|||
腫瘍は6cm、腎盂側に瘤のような突出が見られる。本例は尿潜血があり組織上も腎洞部浸潤が認められた。 |
|||
5cmの低エコーレベルの腫瘤である。腫瘍は腎盂に連続して浸潤しているのが分かる。腎細胞癌の描出では腎盂、腎静脈の観察も欠かせない。 |
|||
6cmの腎細胞癌の症例。腎盂への浸潤を認めたため腎静脈を観察。腎静脈壁に沿って腎盂方向から腫瘍の浸潤が描出されている。 |
|||
企画・制作:超音波検査法フォーラム 協賛:富士フイルムメディカル株式会社 |