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画像検査により偶然発見される副腎腫瘍を偶発腫瘍と呼ぶ。ほとんどは非機能性腺腫である。本例は肝臓と横隔膜の間の正常副腎が描出される位置に腫瘤が描出されている。腎上極の付近のこの位置を「副腎領域」と呼ぶことがある。 |
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偶発腫瘍のうち3cm未満の類円形腫瘤は臨床的な意義に乏しく、治療の必要はないことが多い。ただし、無症候性の褐色細胞腫などの機能性腫瘍との鑑別が超音波像ではできないことがあるので注意を要する。 |
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本例では、腫瘤の内部に一部低エコー域が見られる。変性もしくは出血を反映しており,褐色細胞腫を疑う根拠として重要である。 |
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明らかな液状変性と考えられる嚢胞状部分を含む高エコー腫瘤である。大型の褐色細胞腫として,典型的な所見である。 |
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クッシング症候群の症例である。クッシング症候群では3cm程度の腺腫が描出されることが多い。境界鮮明な類円形の腫瘤で内部は均一な低エコーである。左腎上極、脾、大動脈に囲まれた左副腎領域に描出されている。 |
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径5.5cmの比較的大きい腫瘤である。ややごつごつした形状だがこのような大きさであっても、腺腫であれば変性を伴うことはまれである。 |
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原発性アルデステロン症では、クッシング症候群でみられる腫瘤より小さく、1cm大程度の腺腫が見られることが多い。 |
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右副腎の嚢胞である。境界の整な内部エコーのない腫瘤として描出されている。右腎と肝臓との間にfat plane(高エコーの線状の境界)が認められ、これらの臓器由来でないことが示唆される。 |
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右腎上極の頭側に径6cm大の類円形で輝度の高い腫瘤が描出されている。胎児期の間葉系組織の遺残と考えられており、脂肪と造血組織からなっている。そのため高輝度で内部エコーの粗い腫瘤像が超音波像の特徴である。 |
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副腎への転移は、血行性転移をきたしやすい腫瘍が原発巣であることが多い。具体的には、肺癌,胃癌,大腸癌、肝癌などでみられる。 |
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企画・制作:超音波検査法フォーラム 協賛:富士フイルムメディカル株式会社 |