正常甲状腺は蝶が羽を広げたような形をしており、超音波像は、辺縁は平滑、内部エコーは均一で、エコーレベルは周囲の筋肉よりやや高い。横断面では、気管の両脇にあり、総頸動脈とのあいだに甲状腺の左右の側葉が描出される。
両側葉をつなぐ甲状腺峡部が気管の前面にみられる。両側葉の上部内側や峡部から、上方に伸びる錐体葉がしばしば描出される。峡部や錐体葉の形・大きさにはバリエーションが多い。
甲状腺の良性疾患には、びまん性変化として橋本病やバセドウ病、亜急性の甲状腺炎など、腫瘤性病変には腺腫様甲状腺腫、濾胞腺腫などが挙げられる。
Chapter1では、甲状腺の良性疾患について解説する。