●脳を含む脳蓋腔内に血液を供給する頸部血管は、総頸動脈系と椎骨動脈系に分けることができる。このうち、左右の内頸動脈と椎骨動脈の4血管が、脳組織へ血液の供給を行っている。
●血管領域のエコー検査は、形態を観察するBモード法と血流の評価を目的としたドプラ法を主に用いる。
●Bモード法では、血管走行の確認や径の計測、内中膜壁厚intima-media thickness:IMTの計測(動脈壁の内膜と中膜相当部分を内中膜複合体intima-media complex:IMCと呼んでいる)、壁面の性状、アテローム、血栓や潰瘍形成、動脈解離の有無などを評価する。
●ドプラ法には、流速波形を解析するパルスドプラモードや連続波ドプラモード、血流に色彩を加えるカラードプラモードがある。カラードプラモードでは主に速度表示やパワー表示を用いる。狭窄部の血流の乱れを評価したい場合は速度分散表示を用いる。