Chapter-2 膵炎
急性膵炎
急性膵炎

急性膵炎


消化管ガスのために視野がさえぎられている。垣間見える膵臓の所見では、体部の腫大と実質のエコーレベルの低下が読みとれる。実質エコーの乱れはあまり目立たない。浮腫性の膵炎の超音波像である。

急性膵炎

急性膵炎


心窩部痛で救急受診した症例。膵頭部が腫大し丸みがある。頭部の周囲に少量の液体を認める。膵炎による浸出液貯留は膵炎の急性期に出現する所見である。


侵出液
急性膵炎

急性膵炎


膵実質は腫大し内部に低エコーのムラが目立つ。周囲には侵出液の貯留を認める。このような所見から出血壊死性炎症の可能性が考えられる。至急、CTでの膵臓全体の評価が必要である。


侵出液
急性膵炎(腹水)

急性膵炎(腹水)


本例は急性膵炎に見られた下腹部の腹水である。急性膵炎では膵周囲の侵出液だけではなく、腹水や胸水の有無も確認する必要がある。

   
急性膵炎(仮性嚢胞)

急性膵炎(仮性嚢胞)


仮性嚢胞は急性膵炎に引き続き生じる嚢胞である。急性膵炎の既往のある本例では、膵臓に接して円形腫瘤が2つある。不均一な内部エコーを有し充実性腫瘤にも見えるが、後方エコーの増強が見られる。


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社