Chapter-3 肝血管腫
肝血管腫の所見その2
血管腫(等エコー型)

血管腫(等エコー型)


肝実質とほぼ等エコーレベルの13cmの類円形の血管腫である。
辺縁にはmarginal strong echoが見られ、隣接する血管を圧排しているが狭窄などの所見はない。
大きな血管腫では被膜を有することが多い。

血管腫(高エコー型)

血管腫(高エコー型)


全体が高エコーで中心に低エコー部がある血管腫である。辺縁は分葉状である。
大型の血管腫では血管成分以外の間質などの成分の割合が増えることがあり、エコーレベルにバリエーションが見られる。

血管腫(低エコー型) FNH
血管腫(低エコー型) 比較例:FNH

外側区域にある腫瘤は、内部エコーが肝実質に比べエコーレベルが低く、比較的均一であった。CTにて血管腫と確認されたが、血管腫では稀なエコーパターンである。

FNH(focal noduler hyperplasia)は血管腫に似たエコー像となることがある。
辺縁にmarginal strong echoが見られるものもあり、Bモードでは鑑別できないケースも多い。
カラードプラなどにより内部に車軸状の特徴的な血流が観察されれば鑑別は可能である。
血管腫(混合エコー型)   転移性肝癌
血管腫(混合エコー型) 転移性肝癌

内部が混合エコーを示す血管腫。辺縁に低エコー帯が見られ転移性腫瘤に似た像である。
大型の血管腫では本例のようにハローのような低エコー帯がみられることがある。

本例は胃癌の肝転移腫瘤である。全体的には高エコーを呈しハローも見られるがその形状やエコーパターンからは、血管腫との鑑別が難しい。

企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社