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心臓は超音波ビームの透過を妨げる胸骨や肋骨、肺の下に存在し、なおかつ正常では握りこぶし大の小さな臓器である。このため良好な画像を得るためには被検者の体位や呼吸の調節、探触子の周波数の選択、画像の調節が大切である。
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被検者の体位は通常、左側臥位とする。これは左側臥位にすると肺が左方に偏位し、音響窓が得られるからである。特に肺気腫などの患者さんではベッドに被せるくらいにして深呼気位で良好な画像が得られることがある。
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呼吸の調節は、傍胸骨アプローチでは肺が萎んで音響窓が得られるために息を充分に吐かせるとよい。一方、心尖部アプローチでは息を吸ったほうが良好な画像が得られることがある。
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探触子の周波数は検査目的、被検者の状態によって使い分ける。一般に成人の検査では3.5MHz前後の周波数を用いるが、肥満や肺疾患などで画像が劣化する場合では低い周波数(2.5MHz)を用いると良い。一方、小児や心尖部の壁在血栓などの探触子に近い部位を観察するときは高い周波数(5.0MHz)を用いると良い。またセカンドハーモニック法を使用するとアーチファクトが軽減され、心内膜の描出も改善する。 |
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画像はゲインやダイナミックレンジにより、心内膜面が明瞭に描出されるようにする。さらに距離方向のゲイン(TGC、STC)を用いて内腔のノイズを消すように調節すると観察しやすい。 |
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心機能評価のための計測やドプラ法を用いる場合でも、基本断面をきちんと描出することから始まる。心エコーをマスターするためにまずは、傍胸骨、心尖部、胸骨上窩、心窩部の各アプローチからなる基本断面を適切に描出できることから始めよう。 |