Chapter-5 肝膿瘍
肝膿瘍の特徴
肝膿症 液状変性を伴う肝転移

肝膿症

液状変性を伴う肝転移


肝膿瘍のエコー像は、肝実質との境界不明瞭、辺縁部がやや高エコーの実質性エコー、後方エコーの増強などが特徴である。
ただし成因や病期により像のバリエーションが多い。


大腸癌手術後に見られた転移性腫瘤である。中心部が低エコーであることなど肝膿瘍に似た腫瘤像を呈している。手術後に見られることなどの経過も含めて鑑別が問題となる。

肝膿症

肝膿瘍


健診で偶然発見され、ラボデータには著変がなかった症例である。
後区域にある腫瘤は、境界がやや不明瞭。類円形で辺縁が肝臓実質よりわずかに低エコーで中心部が低エコーのドーナツ状の形状である。

肝膿瘍
肝嚢胞(多房性)

ドプラ所見


本症例では、パワードプラで辺縁側に肝実質より密な血流シグナルが表示され血流増強を示している。
内部の低エコー部には血流は検出されない。

肝膿瘍
経時変化

経時変化


同症例に抗生剤を投与し治療を行った。写真は4週間後の経過観察である。
膿瘍は明らかに縮小し、境界および内部の低エコー部ともに不明瞭となっている。

肝膿瘍

企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社