膵癌は問質の線維成分が豊富なことから、低エコー腫瘤として描出されることが多い。そのため膵実質のエコーレベルが低い症例では腫瘤像として描出することが困難なことがある。 |
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膵癌は辺縁不整な低エコー腫瘤として認められることが多い。尾側の膵管は不整に拡張し、腫瘤部で途絶しているのがわかる。 |
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頭部側に比べ体尾部がわずかに低エコーに描出されるものの境界は不明瞭である。さらに膵臓の後方の後腹膜領域との境界も不明瞭なことより後腹膜浸潤が疑われる。本例は尾部側全体が腫瘍となった浸潤型膵管癌であった。 |
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本例では鈎状突起部(鈎部)に40mmの低エコー腫瘤(右図)があるが主膵管拡張は見られない(左図)。鈎部領域や副膵管領域に限局した腫瘍では主膵管拡張が見られないことがある。 |
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座位の左肋間走査で脾門部付近に、低エコーレベルの腫瘍が描出されている。膵尾部の端にある腫瘍ではこの走査でのみ描出できるものがある。 |
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頭部から体部にかけての低エコー域が目立つが、膵全体が腫大している。癌が膵全体に進展した症例では膵管拡張が見られないことがある。 |
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企画・制作:超音波検査法フォーラム 協賛:富士フイルムメディカル株式会社 |