転移性肝腫瘍では、肝内に類似した腫瘤が多発している場合が多い。高エコー腫瘤が多発する場合は、大腸癌や胃癌が、低エコー腫瘤の多発では、乳癌、肺癌、胃癌、大腸癌、膵癌などの転移を疑う。

肝右葉の腫瘤は直径3.5cm.
腫瘤内部のエコーレベルは周辺の肝実質より低く,後方エコーの増強と外側陰影を伴っている.
腫瘍辺縁に薄い高エコーの縁取りも観察される.
肝実質の乱れは,慢性肝疾患に由来する所見である.

 

肝左葉の直径2.5cmと3cmの腫瘤は,内部が低エコーで一見嚢胞のようであるが,後方エコーの増強はみられない.
膵癌や乳癌の肝転移あるいは悪性リンパ腫には,このような低エコーを呈する腫瘤が比較的多い.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社