Chapter-1 胆石とスラッジ
腎臓
超音波での胆石の診断は、基本的には表面の強い反射(ストロングエコー)とその後方の画像の欠損(音響陰影)という特徴的な所見が見られる。そしてこれらをより深く観察することで胆石の性状を読みとることも可能である。また同時に、超音波検査では体位を変えて検査が行えるので、結石の可動性も観察ができる。ストロングエコーや音響陰影がはっきりしない病変であっても、可動性があれば結石と判定できる。
スラッジは胆砂(微少な胆石)あるいは炎症産物(膿など)によるエコーを総称する所見である。基本的には体位変換で移動すればスラッジと判定できるが、胆嚢壁に貼り付くように存在する少量のスラッジは、時に隆起性病変と紛らわしい画像となる。粘度が高いスラッジや底部や頸部の端にあるスラッジは動かすことが難しいこともあり鑑別に苦慮することも少なくない。
企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社