写真は典型的な胆石の超音波像である。胆嚢内にあるのが胆石であることは本例の場合には可動性を確認しなくても診断できる。しかし注意すべきは胆石の後方の胆嚢壁が音響陰影のために観察できていないことである。胆石と判定できても動かせる結石は必ず動かしてその後方の胆嚢壁の観察を怠らないようにする。 |
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胆嚢内腔に半円形のストロングエコーが見られ、このストロングエコーは前面から後方に向かって徐々に減弱し音響陰影に移行する。純コレステロール結石のエコー像の特徴である。 |
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胆石の前面で弧状の強い反射が見られる。本例の結石は切面を形成し三角形に近い形状である。混成石との鑑別は難しいが、切面形成の所見は混合石に見られる特徴である。 |
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小型でゴツゴツした形状で複数あることが多い。反射輝度が高い割に音響陰影が淡いのでポリープと誤診されることがある。この場合も可動性の確認が有効である。 |
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胆嚢のコメットエコーは、腺筋腫症に見られる拡張したRAS(Rokitansky-Aschoff sinus)の内部の微小結石やコレステリン結晶に由来することが多い。 |
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胆嚢内に多数の結石が充満し内腔を埋めている。肝側の壁は観察できるが胆嚢壁の半分以上は観察不良であり、壁に限局する胆嚢癌などの存在を否定することがでない。 |
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慢性炎症により胆嚢壁自体が石灰化し磁器のように変性する。充満胆石と紛らわしいこともあるので注意が必要である。磁器様胆嚢では胆嚢壁自体がストロングエコーとなるため、通常の胆嚢壁に相当する構造が見られなくなる。 |
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企画・制作:超音波検査法フォーラム 協賛:富士フイルムメディカル株式会社 |