膵腫瘍性嚢胞性病変には、漿液性嚢胞腺腫(SCN)、粘液性嚢胞腫瘍(MCN)および膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)などがある。これに加えて、嚢胞変性を伴う充実性腫瘍が含まれる。Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)、腺房細胞性嚢胞腫瘍や膵内分泌腫瘍には、嚢胞形成を伴うものがある。
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膵頭部に類円形、径33mmの膵実質よりも低エコーレベルの腫瘤がある。一見充実性の腫瘤に見えるが、後方エコーが増強しているので嚢胞性腫瘤であることを推測することができる。よく見ると内部と辺縁付近に小さな嚢胞構造が多数あることがわかり、非常に細かい嚢胞の集合体であることが読み取れる。 |
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パワードプラでの観察。漿液性嚢胞腫瘍は血流に富むものが多い。本例では、内部に血流が点状に多数表示される。 |
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本例は膵臓とほぼ等エコーだが、後方エコーの増強があり、内部エコーが粗造で、高低エコーの成分が混在しているので病変に気づいた。漿液性嚢胞腫瘍の多くは悪性度が低いので、経過観察となることが多い。 |
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55才女性。スクリーニング検査を施行したところ、脾臓を介した膵尾部の描出で、尾部の端に突出する径37mmの腫瘤を発見した。境界明瞭な類円形で、後方エコーの増強がある。 |
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右側臥位左季肋部走査で膵尾部を浅く描出して観察した。腫瘤は辺縁に分厚い壁を有し、内部に隔壁構造が見られる。 |
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ぶどうの房状の多房性嚢胞や主膵管拡張を伴う嚢胞の所見は、IPMNを疑う所見である。 |
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同症例のMRCP画像である。主膵管と多房性嚢胞の位置関係把握できるのと同時に、超音波では認識できなかった尾部側の小嚢胞の分布もよくわかる。 |
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頭部の主膵管の近傍に53×20mmの多房性嚢胞があり、主膵管は4mmに拡張している。 |
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膵体部の分枝型IPMNの短軸像。多房性の嚢胞の形状がわかる。 |
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主膵管型IPMNの所見の特徴は、明らかな閉塞所見がなく、主膵管が5mm以上に拡張する。 主膵管拡張は全体もしくは頭部の一部が紡錘状に拡張して見えることが多い。 頭部から体部にかけての主膵管の一部が、最大径15mmに拡張している。拡張の形状は紡錘状である。膵管壁の内腔側に隆起所見が読み取れる。膵管内の隆起や壁の部分的な肥厚は、悪性を示唆する所見である。 |
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主膵管型と分枝膵管型の性質を併せ持つものを混合型という。 |
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膵頭部に長径70mmの多房性嚢胞性病変を認めた。主膵管は最大径15mmで、明らかに拡張している。多房性病変の内部には、厚さ不均一な肥厚や隆起を疑う所見が読み取れる。 |
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40歳女性。頭部に30×25mmの類円形低エコー腫瘤を認める。粗造な内部エコーを有し、パワードプラでも内部に血流を認めることより充実性腫瘤に見えるが、後方エコーの増強がある。 |
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企画・制作:超音波検査法フォーラム 協賛:富士フイルムメディカル株式会社 |