成人型嚢胞腎は遺伝性の先天性疾患である。青年期頃から嚢胞の数が増加し腎臓が嚢胞に置き換わって腫大する。進行が緩徐な例では腎機能は保たれていることが多い。一方、後天性多発腎嚢胞は、腎不全に伴い嚢胞が増えてゆく病態である。

本来腎臓のある部位に,大小さまざまな嚢胞が描出されている.
両側の腎臓とも無数の嚢胞に置き換わり,骨盤腔内にまで腫大している.
正常な腎実質は認められない .

 

長期透析患者にしばしば見られる腎嚢胞である.
本例の腎実質は高エコーで萎縮しており,慢性腎不全の所見を呈している.
腎臓のサイズは成人型嚢胞腎のように腫大することはない.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
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