心エコーでの距離計測は、Mモード(図上)ではエコーの反射信号が現れたところ、すなわち手前を境界面として認識して計測するleading edge法と、Bモード(図下)では内腔を計測するendocardial-cavity interface法が使用される。
これは壁と心内腔(心筋と血液)といったような音響インピーダンスが異なる組織の境界では、壁の境界面の反射が強いために境界が線状のエコーとして表現されるのではなく、スペックル現象により境界面が深部方向ににじむような“尾引き”を生じるため、計測点をどこに置くかが問題となるためである。
この現象はゲインの調整により影響を少なくでき、装置のデジタル化によりこの現象が抑えられるようになってきている。
適切なゲイン調整を行なえばいずれ方法を使用してもほとんど差がないといえるが、施設の中で統一しておくと、検者間での誤差を最小限にとどめることができる。
|