Chapter-2 計測をマスターする
Mモード計測

Mモード計測のポイント:僧帽弁レベル


僧帽弁の前尖(A〜F波)、後尖が描出され、B-B´step(拡張能の指標)やDDR低下(左室コンプライアンス低下、僧帽弁狭窄、心拍出量減少)の判断に有用である。

各部の名称

B-B'step フォーメーション


左室拡張末期圧が上昇すると僧帽弁閉鎖の前にB-B´stepと呼ばれる小さなノッチ(矢印)を認める。

B-B´step

Mモード計測のポイント:大動脈弁レベル


収縮期に対称的な台形を呈する。

開放時の前方成分が右冠尖、後方成分が無冠尖もしくは左冠尖である。

大動脈径は拡張末期、左房径は収縮末期で計測する。

計測ポイント

Mモード計測のポイント:左室計測レベル


心室中隔・後壁に対しカーソルを垂直にすることで、心室中隔、左室後壁の各時相での動きが描出され、左室内径を計測することで駆出率(Ejection Fraction:EF)が求まる。

計測ポイント

左室計測(斜入射)


Mモード法で左心室に対しカーソルが垂直に設定できない場合(斜入射)、正確な左室容積の推定ができず評価を誤るため、計測をしてはいけない。

フリーアングルMモード


Mモードのビーム方向を任意に設定することができ、斜入射を補正して計測を行なう。

時間分解能はフレームレートの影響を受けるため、Bモードの視野角度を調整する必要がある。


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社