肝機能障害や、炎症、線維化などの肝臓の状態により、肝臓自体だけではなく周囲の血管や臓器に副所見を見ることがある。これらの所見を加味して間接的に肝臓の状態を見ることは大切である。
肝周囲の所見には、炎症による肝門部リンパ節の腫大、門脈圧亢進による側副血行路や脾腫、低アルブミン血症による腹水や胆嚢壁肥厚などの浮腫性変化などがある。

肝臓の下面部,輪切りとなった肝動脈の腹側から頭側に接して,小さな「C」字型の実質像がみられる.

腫大した総肝動脈幹リンパ節で,慢性肝炎の患者でしばしば認められる.

 

心窩部正中からやや左よりの縦断像.肝左葉の下面に数珠状に連なる管腔構造が認められる.
拡張・蛇行した左胃静脈で,食道静脈瘤へと連なる.
門脈圧亢進に伴う側副血行路の一つである.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社