通常型膵癌すなわち膵管癌では、主膵管の閉塞のため尾側の主膵管拡張は膵癌を発見する糸口となる重要な所見である。膵頭部癌は低エコー辺縁不整な結節を呈することが多く、膵実質のエコーレベルが高い場合は、小さな腫瘤でも比較的容易に発見できる。実質エコーレベルがあまり高くない場合は見落としやすいので、主膵管の拡張などの副所見に気付いたら膵癌の存在を疑って検査、あるいは精密検査をする必要がある。

膵頭部に膵実質よりやや低エコーの,約4cm大の腫瘤が認められる.
腫瘤は不整形で境界は一部で不明瞭となり,周辺組織への浸潤が疑われる.
腫瘤の尾側膵管は径8mmで,拡張が著明である.

 

小膵癌では,主膵管の拡張から腫瘤に気付くことが多い. 膵頭部と体部の境界部に18×11mmの腫瘤があり,尾側膵管が7mmと拡張している. 腫瘤は小さく膵の輪郭には変化がない.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社