全体の径が3cmを超える病変や主膵管拡張を伴う嚢胞性病変では、隔壁の厚さや乳頭状隆起、充実性部分の存在に気をつけて観察する。これらは悪性を示唆する所見として重要である。例外的には仮性嚢胞や貯留嚢胞などの二次性嚢胞がある。

膵頭部に直径4cmの腫瘤がみられる.
全体としてはエコーレベルが高く,小さな無エコー域が散在している.
漿液性嚢胞腺腫は径数mmまでの小嚢胞からなるスポンジ状の嚢胞性腫瘍である.

 

膵鉤部にある直径4cmの腫瘤は,多房性の嚢腫状の形態を呈している.
隔壁および嚢胞壁の一部に肥厚像がみられる.
粘液性嚢胞腫癌は多房性嚢胞を呈し,良悪の鑑別の困難な症例が多い.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社