胆嚢では短径が3.5cm以上であれば腫大と評価される。しかしその原因としては、急性胆嚢炎、三管合流部以下での閉塞による閉塞性黄疸、胆嚢水腫、低緊張による拡張などがある。これらを鑑別するためには、臨床所見も参考にする。

本例の胆嚢は短径が38mmであり、大きさのみで判断すれば「腫大」の所見である。 ただし、頸部の拡大がなく呼吸で胆嚢を移動させると、全体的にあまり張りのな い(腫脹、緊満のない)形状であることがわかる。これらの所見を総合的に判断 すると、病的な意味のある「腫大」とは言えない。

 

胆嚢腫大の判定は通常は短径で35mm以上を目安にするが, 頸部の拡大の有無や,呼吸による変形の所見も合わせて判断するとよい. 腫大と判定したなら,その原因の究明も忘れてはならない.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社