膵癌であっても、鈎状突起の癌や、小さい癌、膵尾部の癌では膵管の拡張はおこらない。膵管が目立つ場合には、必ず頭部をよく観察し、腫瘍の発見に勤める必要がある。また、腫瘤がはっきりしない場合には 、「粘液産生膵腫瘍」も考える。

主膵管径は3mmを越えていたが(左図), 5分後には2mm以下となった(右図). 膵管径が4mm以上あれば通常は拡張と判定するが, 5mm以下の疑診域では,生理的な径の変化も加味する必要がある.


 

主膵管に紡錘形の拡張があり, 膵管造影などの精査により「粘液産性膵腫瘍」と診断した症例である. 膵管拡張は癌による閉塞のほかに,粘液や蛋白栓,膵石によっても引き起こされる.

企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社