総胆管の拡張は総胆管結石や閉塞性黄疸だけでなく、胆摘後、加齢、総胆管嚢腫などでもみられる。下端部がスムーズに細くなっている場合には、病的でない可能性が高いが、画像だけにたよらず、ビリルビン値や胆道系酵素値をチェックする。





胆管は肝門部で8mm以上を拡張の目安にするが, 肝外胆管のみが紡錘形に太い場合は病的ではないことが多い. 本例は腹腔鏡下胆摘術後で, 胆管近傍の高輝度点状エコーは外科クリップである.
 




肝外胆管が嚢状に拡張している.
総胆管拡張は閉塞による二次的な拡張のほかに, 稀ではあるが先天性総胆管拡張症も念頭におく必要がある. 胆管癌や総胆管結石の合併頻度が高いので,慎重な観察を心掛ける.

企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社