層構造の保たれた胃壁の肥厚では、急性胃粘膜病変(AGML)やその他の急性胃炎が疑われやすいが、ボールマン4型胃癌(スキルス)も層構造が保たれていることが多いので注意が必要である。

胃潰瘍も炎症の度合いが高度になると壁肥厚が見られる疾患のひとつである.
本例では胃角小彎に潰瘍部があり、壁の肥厚と潰瘍底の壊死物質を示す高エコーが描出され,周囲の胃壁にも肥厚が認められる.
これらの超音波所見では癌を否定できないので,内視鏡検査が必要となる.

 

突発性の上腹部痛を訴える患者に見られた超音波像である.
胃壁の粘膜下層が,やや高エコーで均一な肥厚として描出されている.
粘膜下層を挟む粘膜面と固有筋層は連続性が保たれている.
急性胃粘膜病変は急性胃炎の一種で、エコーで見られる胃壁肥厚は、炎症による粘膜下層の浮腫性変化が主体である.
幽門前庭部で肥厚することが多く、食道や十二指腸に及ぶこともある.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社