大腸癌では、肝転移が先に発見されることがしばしばある。特に辺縁低エコー帯を伴う高エコー腫瘤や、石灰化を伴う腫瘤が多発する場合には大腸癌からの転移を強く疑う。この場合は積極的に原発巣を探す。

径5cmまでの腫瘤が肝右葉を中心に多発している.
腫瘤内部は高エコー,辺縁部に不整な低エコー帯がみられ,大腸癌の肝転移に特徴的な像である.
消化管癌はこのような転移巣から見つかることも多い.
したがって肝臓に転移性肝癌を思わせる腫瘤を見たときには消化管の検索は欠かせない.

 

横行結腸癌の症例.
消化管壁が腫瘍により著しく肥厚し,内腔のガスを反映する高エコー域が中心部に位置するため,腎臓の超音波像に類似した像(pseudokidney sign)を呈している.


企画・制作:超音波検査法フォーラム
協賛:富士フイルムメディカル株式会社